物価上昇を実感95.5%、暮らしのゆとり減54.4% 日銀9月調査の読みどころ

買物かご、家計簿、電卓と調査票を描いたイメージ画像 未分類

日本銀行が10月13日に公表した9月の生活意識調査では、1年前より物価が上がったと感じる人が95.5%に達しました。暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と答えた人も54.4%。景況感は前回より改善したものの、家計の厳しさが広く残る結果です。

対象期間:2026年10月13日08:00~14日08:00(日本時間)の公表情報。確認:10月14日08:04。日銀の公表日は13日、公表予定表では13:30です。

数字を読むポイント

  • 95.5%は値上がりを感じた回答者の割合で、物価上昇率ではありません。
  • 1年後に物価が上がるとの予想は88.6%。前回の90.4%からは低下しました。
  • 8~9月に回答を集めた調査です。10月の出来事への反応とは区別してください。

値上がりの実感と、これからの予想は別の数字

現在の物価について「かなり上がった」が68.9%、「少し上がった」が26.6%で、合計95.5%となりました。一方、1年後の物価については「かなり上がる」34.5%と「少し上がる」54.1%を合わせて88.6%でした。

過去1年の実感と先行きの予想は、同じ質問ではありません。予想する人の割合が前回より減っても、商品の価格が下がったという意味にはなりません。実際の価格変化を測る物価指数とも、役割の異なる指標です。出典:日銀・第107回調査結果

景況感は改善しても、ゆとり不足は半数を超える

景気が1年前より「悪くなった」とする回答は58.2%で、6月調査の62.5%から減りました。「良くなった」は5.2%。両者の差を取る景況感D.I.はマイナス53.0で、前回のマイナス56.7より改善しています。

ただし改善は、良いと感じる人が悪いと感じる人を上回ったという意味ではありません。暮らし向きの「ゆとりがなくなってきた」も、前回55.0%から54.4%へ小幅に低下しただけです。「ゆとりが出てきた」は4.5%でした。

この違いは、景気のニュースと日々の買い物の感覚が必ずしも一致しないことを考える材料になります。全体の方向だけでなく、負担を感じる人の割合そのものにも目を向けたいところです。出典:同調査の景況感・暮らし向き

調査の時期と対象を踏まえ、家計の変化を確かめる

調査は8月3日~9月4日に、全国の20歳以上4,000人を対象に実施。有効回答は1,972人、回答率49.3%でした。郵送調査で、回答は郵送とインターネットから選べる方式です。公表は10月ですが、回答時点の意識を集めた結果です。

家計を振り返る際は、支払額の変化と購入量の変化を分けて見ると状況がつかみやすくなります。同じ金額でも買える量が減っている場合と、数量を増やしたため支出が増えた場合では、見直す点が違います。この調査だけで個々の家庭の負担や、今後の金利変更を決めつけることはできません。

関連報道でも1年後の物価上昇予想88.6%が取り上げられています。数値の定義は日銀の元資料に戻って確かめることが大切です。

一次資料:日銀の10月13日公表/公表予定表(10月9日更新)。関連報道:共同通信配信・熊本日日新聞(10月13日)。

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