米、新たな対ロ制裁の適用を免除 9月成立の法律を巡り議会との対立

議会と行政を象徴する建物、書類、天秤を描いた政策議論の説明用イラスト。 未分類
要点

米国は9月成立の法律に基づく追加制裁・関税を免除。既存の対ロ制裁すべてを解除したわけではありません。

トランプ米大統領が、9月に成立した対ロシア制裁法に基づく新たな制裁や関税の適用を免除した。10月16日付の大統領令で示したもので、AP通信は日本時間17日午前10時42分に報じた。ロシアへの追加圧力を求めてきた議会と、免除権限を使う政権の隔たりが改めて表面化している。AP通信

追加制裁を免除、既存措置には留保

対象は「2026年リンジー・O・グラム・ロシア・イラン制裁法」に基づく措置。大統領令は、同法の複数の制裁条項と関税について適用を免除すると定めた。トランプ氏は、免除が米国の国益にかなうとの認定と、その理由を説明する報告を議会に提出したとしている。免除に固定の終了日は設けず、大統領または関係閣僚との協議を経た国務長官が追加対応を適切と判断するまで続く構成だ。大統領令第4条

ただし、今回の命令は対ロシア制裁全体の撤廃を意味しない。同法成立前からの特定の大統領令に基づく制裁や対象者への措置には影響しないと、本文が明記している。追加措置の免除と、従来からある制裁の扱いは区別して読む必要がある。大統領令第4条(b)

9月18日に成立した法律

同法は、トランプ氏が2026年9月18日に署名して成立した。ホワイトハウスは当時、ロシアに対する法定の制裁、関税、禁止措置を拡大し、既存の対イラン制裁を延長する法律だと説明していた。9月18日の成立発表

一方、法律自体の第115条は、国益にかなうという書面の認定と説明報告を事前に議会へ提出することを条件に、大統領へ免除権限を与えている。したがって、今回確認できるのは法律の廃止ではなく、その法律に置かれた権限を使った適用免除だ。法律の存在と、実際にどの措置を発動するかが別の問題になっている。法律第115条

議会の要求との隔たり

関連する過去の動きとして、10月13日にはリチャード・ブルーメンソール氏、トム・ティリス氏ら超党派の上院議員12人が、ロシア産ディーゼル燃料を巡る合意の撤回と、9月成立の制裁法に基づく措置の実施をトランプ氏に求めていた。今回の適用免除は、その要求とは逆方向の判断となる。10月13日の超党派書簡

民主党のドン・バイヤー下院議員も16日付声明で、免除は議会が示した意図に反すると批判し、法律の修正を求めた。これは議員の評価であり、修正が成立したという発表ではない。バイヤー議員の声明

今後の焦点

焦点は、免除の見直し、議会による法改正の動き、そして国益判断の具体的な説明だ。大統領令本文は報告を提出したとする一方、その説明報告そのものは掲載していない。エネルギー取引や貿易への影響を見る際にも、今回免除された追加措置と、引き続き残る制裁を分けて確認する必要がある。大統領令本文

確認時点:2026年10月18日午前8時8分(日本時間)。公表・報道日と出来事の日付を区別して記載しています。

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